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【民藝のその先へ 対談】イベント&オンライン配信のお知らせ

執筆者の写真: YiwenYiwen

民藝のその先へ 鞍田崇、堀畑裕之、赤木明登 対談


「インティマシー(共感)」にもとづいた民藝の運動について語り続けておられる哲学者の鞍田さん。そこには、ぼくもまさに共感するところである。一方、民藝の蒐集品そのものに目を向けてみると、いくつか見解の相違点があるように思う。

鞍田さんは、民藝を「拙い」と語る。ところがぼくには、そうは見えない。柳宗悦の蒐集した品々からは、「宗教的な精神性の高さ」のようなものを感じている。同時に、それが「ぎこちない」とも語られている。でも実作者の立場からすると、「身体に馴染みきった技術」と、「川の水が流れるようなあたりまえさと自然さ」が見えてくる。その「不完全性」については、またその逆で、利他にもとづく「完全性」こそ民藝の命ではないかと思う。

どうして、同じ民藝について考えながら、このように見方が異なっているのか。そこが、けっして「わかりやすくはない民藝」のおもしろいところだと思うのだ。これから新たに始まる鞍田さんとの理性的な対話を、ゆっくり楽しみながら続けていきたい。


—— 赤木明登



2025年には「民藝」という言葉の誕生から100年を迎えることになる。

さまざまな議論の中で、『工藝とは何か』の共著者である赤木明登と堀畑裕之、そして哲学者である鞍田崇を招いてトークイベントを開催いたします。

互いの民藝観の共通点や相違点を語り合い、近代と対峙していた民藝の本質を明確にしていく。同時に民藝の抱える問題点をあぶり出し、それをどう乗り越えていくのか。みなさまと共に考えたいと思います。


【開催場所と日時】

代官山 蔦屋書店 3号館2階 SHARE LOUNGE

2024年 07月11日(木) 19:00~


【参加条件】

イベントチケット予約・販売サービス「Event Manager」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。


受付締め切り: 2024年7月11日(木) 18:00まで


【登壇者】



鞍田崇 (くらた・たかし)


哲学者。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。現在、明治大学理工学部准教授。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、現代社会の思想状況を問う。著作に『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会 2015)など。民藝「案内人」としてNHK-Eテレ「趣味どきっ!私の好きな民藝」に出演(2018年放送)。







赤木明登(あかぎ・あきと)


1962年岡山県生まれ。中央大学文学部哲学科卒。編集者を経て、一九八八年に輪島へ。輪島塗の下地職人・岡本進のもとで修業、一九九四年独立。以後、輪島でうつわを作り、各地で個展を開く。漆作家としての活動のみならず執筆活動も二十年にわたって継続的に行っている。







堀畑裕之(ほりはた・ひろゆき)

服飾ブランドmatohu デザイナー。大阪府堺市生まれ。同志社大学文学部、同大学院文学研究科哲学専攻 博士過程前期修了。文化服装学院アパレルデザイン科卒業。コム・デ・ギャルソンにてパタンナーを務める。2005年「日本の美意識が通底する新しい服の創造」をコンセプトにした服飾ブランドmatohuを設立。2006年より東京コレクションに継続的に参加。 2018年以降はファッションショーをやめ、「手のひらの旅」と題した動画を発表。各地の工藝と協働し、服飾デザインをとおして本来的なあり方を提案している。

 
 
 

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